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過払い金とは

  文字通り払いすぎた金銭のことですが、特に、利息制限法の定める利
   率を超える高利の借入れをした借主が、本来、借入金の返済は終わっ
   たのに返済を続けたため、払いすぎた金銭のことをいいます。
  
 過払い金が発生する理由

  金銭消費貸借の利息は、利息制限法によって制限されており、これを超え
  る部分は無効となります(同法第1条第1項)。

   
しかし、現実は、クレジット・サラ金業者による貸付は、制限利率を超える
  利息が付されています。これは、出資法第5条第2項所定の年29.2%を超え
  ない限り、刑事罰には問われないからです。このように利息制限法を超えるが
  出資法には違反しない範囲の利息をグレーゾーン金利といいます。


                                

 
過払金返還請求訴訟
 
  クレジット・サラ金業者との間で、長期間にわたってグレーゾーン金利での借入れと返済を続けている場合、過払いになって
   いることがほとんどです。
    しかし、クレジット・サラ金業者は、訴訟外つまり任意的に、かつ、速やかに過払金の返還にはなかなか応じません。
    そこで、債務整理のため依頼を受けた弁護士や司法書士は、過払金返還請求訴訟を提起することになります。
    そして、みなし弁済について借主側に有利な判例が出ていることもあって、過払金返還請求訴訟が全国で相次いで提
   起されていますので、クレジット・サラ金業者も、これを受けて業績の見直しを迫られている状況ではないかと思われます。


 以前の過払金返還請求訴訟における問題点
 
  みなし弁済

   昭和58年、貸金業法が制定されました。この法律は、貸金業者に対する登録、規制を強化するのと引換えに、貸金業
  者に対してみなし弁済という特典を与えるものでした。つまり、同法第43条は、次の要件を満たす場合には、利息制限法超
  過利息の支払を有効な利息債務の弁済とみなすと規定しているのです。
  • 登録を受けた貸金業者が業として行う金銭消費貸借上の利息の契約であること。
  • 借主が利息として任意に支払ったこと。
  • 貸金業者が、借主に対し、消費貸借契約締結の際、遅滞なく、貸金業法第17条所定の、契約の内容を明らかにする書面(第17条書面)を交付したこと。
  • 貸金業者が、借主に対し、借主から返済を受けた都度、直ちに、貸金業法18条所定の受取証書(18条書面)を交付したこと。

   みなし弁済が認められると、元本に対する充当が認められませんので、クレジット・サラ金業者は自己の計算通りの請求す
  ることができ、過払金も発生しないことになるのです。
   しかし、最高裁は、期限の利益喪失特約(借主が約定利息の支払を怠った場合には期限の利益を喪失し、残元本を一
  括返済しなければならないとの特約)がある場合には、借主は期限の利益を喪失しないよう支払をせざるを得ないので、原
  則として支払の任意性がないとの判断を示しました。クレジット・サラ金業者の貸付には期限の利益喪失特約が付されてい
  ますので、今後、みなし弁済の適用を主張することはほぼ不可能になったといえます。

   平成18年01月13日 第二小法廷判決 平成16年(受)第1518号 貸金請求事件

 過払金の利息

   過払金は民法上の不当利得の規定に基づくものですからから、クレジット・サラ金業者が悪意の受益者であれば、利息
   を付して返還しなければなりません(民法704条)。
   債務者側は、クレジット・サラ金業者は利息制限法超過利息であることを知って弁済を受けているので、クレジット・サラ
   金業者は悪意の受益者に当たると主張するのに対し、クレジット・サラ金業者側は、みなし弁済が成立すると信じて弁済を
   受けたから悪意ではなく、利息の返還義務を負わないとして争うこともあります。
   また、悪意の受益者であるとされた場合にも、過払金に付すべき利息の利率が、民法所定の年5%(民法404条)か、
   商事法定利率である年6%(商法514条)かという争いがあります。
   年5%とする根拠は、過払金は民法の不当利得の規定によって発生するものであって、商行為によって生じた(商法514
   条)ものではない。
   一方、年6%とする根拠は、クレジット・サラ金業者は過払金を6%以上の高利(18%以上)で運用することができるから、
   これを含めて返還すべきである。

 取引履歴の不開示

  借主が何年何月何日、いくらの借入れ・返済をしたかの記録が残っていれば、過払いになっているかどうか、またその額を
  計算することができます。
   また、不当利得(過払金)返還請求訴訟を起こそうとすれば証拠として取引履歴が必要となります。
   しかし、長期間わたって借入れと返済を続けた借主には、そのような書類や記録が残っていないことがほとんどなので、クレ
  ジット・サラ金業者に取引履歴の開示を求める必要があります。
  しかし、クレジット・サラ金業者は、法令上取引履歴の開示義務を定めた規定はないことなどを理由に、取引履歴の開示
  に応じないこともしばしばでした。
   そこで、クレジット・サラ金業者に取引履歴の開示義務があるかどうかについて、下級審の判断が分かれていましたが、最
  高裁判所は、クレジット・サラ金業者は債務者から取引履歴の開示を求められた場合、原則として取引履歴を開示すべき
  義務を負い、これに反して取引履歴の開示を拒絶したときは、不法行為となるとの判断を示しました。


    平成17年07月19日 第三小法廷判決 平成16年(受)第965号 過払金等請求事件




                      
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